2009/06/03

Day2:指標の取りやすさ、オーダリングの評価

今日も充実した日でした。
でもさすがに午前いっぱい続いた電話会議は
集中力が擦り切れそうでした。


□指標のFeasibility
昨日も書きましたが、いくら優れた指標でも
取得に莫大な手間がかかるようでは現実的ではありません。

ということで、基本的に私のインターン先では
レセプトデータから取得できる指標に絞っています。

そんな中、今年度新たに加えた指標の中に、
カルテからしか取れない指標があることが判明しました。

全米でも最大級の病院チェーンの担当者から、
「3,000以上のカルテをレビューすることはできない」との
クレームが入った次第です。

対応方針はいくつか考えられますが、その指標を無くすか、
全数調査ではなくサンプリングでも良しとするか
のどちらかで決着するものと思われます。

それほど、指標の取りやすさ、は重要なのですね。

この指標はNQFの承認を得たものでしたが、
NQFのレビューの段階でもこのような問題の発生は
予想されていなかったみたいです。

さて、本当にすごいのはここから。

自組織での内輪な対応でとどまるかと思いきや、
「業界のスタンダード自体を変えよう」という方向に
話が行きました。

問題の根本的な所は、重要な指標にもかかわらず
一部の情報がカルテにしか載ってない点。

そこで、その情報が今後コード化されるように
医療情報の統一規格を作っている団体に働きかけることになり、
今月中旬にはそのための折衝をすることまで決まりました。

行動の素早さとともに、規格統一団体の柔軟性も
目を見張るものがあります。

後は、NQFへもこの指標の問題点をフィードバックするとのこと。

エラーがあれば、そこからレッスンを引き出し、
忘れる前に穴を塞ぐ。見事です。


□オーダリングシステムの評価
医療情報の電子化に関しては賛否両論がありますが(電子カルテ等)、
ことオーダリングシステムに限っては医療安全に貢献するという
エビデンスがかなりしっかりしているので
私のインターン先もその推進を後押ししています。

面白いのは、各病院が導入したオーダリングシステムを
横並びで評価しようという取り組み。

評価方法は
  1. 予め用意された患者データ10人分をダウンロード
  2. 定められたオーダー50通りをそのデータに適用
  3. 適切なアラートが出たかを評価(アレルギー・薬の組み合わせ等)
となっています。

一般には小児病院のほうが成績がいいそうです。容量用法等、
大人よりも注意を払ってシステムを構築しているからとのこと。

日本ではシステムを導入したらしたで、
それがどれくらい他と比べて優れているかも確認する機会が無いので
こういう取り組みは面白いなと思いました。

ベンダーの淘汰も進みそうですね。

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